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築50年・旧耐震の古い家は売れる?|売れにくい理由・そのまま売る・解体して売る・耐震改修・買取・3,000万円控除

築50年の家は、2026年なら1976年ごろに建った家で、1981年5月31日以前の旧耐震基準の時代に当たります。旧耐震の家を売ることは禁止されておらず、売るために耐震診断を受ける義務もありません。ただ、築年数が条件になる制度はあります。買う人が住宅ローン控除を使うには、昭和56年12月31日以前の建築だと耐震基準に適合する証明などが要り、相続した家を売る側の3,000万円特別控除は、逆に昭和56年5月31日以前の建築が要件です。売れる確率や売れる価格を示す公的な資料は、このページで引いた中にありません。確率や価格は書かず、法令・国税庁・国土交通省の原文と買取会社の公式サイトの原文で言えることだけを整理します。

場面築年数の境目(原文)根拠
売るとき(重要事項説明)昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものを除き、耐震診断を受けているときはその内容を説明する宅建業法施行規則16条の4の3
買う人の住宅ローン控除昭和57年1月1日以後の建築なら築年数の要件なし。それ以前は耐震基準適合の証明などが要る国税庁 No.1211-3
相続した空き家の3,000万円控除昭和56年5月31日以前に建築されたこと。耐震基準を満たすか、全部の取壊しが要る国税庁 No.3306
国の耐震化の案内昭和56年以前の建物は旧耐震基準によるもので、耐震性が不十分なものが多く存在する国土交通省
買取会社築年数については「完全に不問」(公式サイトのよくある質問)買取会社の公式サイト

出典は国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)、e-Gov法令検索の現行版、国土交通省、買取会社の公式サイト(いずれも2026年10月3日取得)。

築50年の家は売れるのか|原文で言えること・言えないこと

相続した実家が築50年だと、「古すぎて売れないのでは」「耐震の問題で買い手が付かないのでは」と心配になります。結論から言うと、売れるかどうかの答えは物件ごとの査定でしか出ません。そのうえで、原文から言えることは次の4つです。

1. 旧耐震の家を売ることは禁止されていない

建築基準法3条2項は、この法律の規定の施行または適用の際に現に存する建築物が、その規定に適合しない部分を有する場合でも、その規定は適用しないと定めています。旧耐震の家は、それだけで違法な建物になるわけではありません。ただし、施行後に着手する増築・改築・移転・大規模の修繕・大規模の模様替などには、この除外は及びません(同条3項3号)。

2. 売るために耐震診断を受ける義務はない

後述のとおり、宅建業法施行規則が定めているのは、耐震診断を受けているときにその内容を説明することです。診断を受けること自体は、売却の条件にされていません(売却時に生じる耐震診断の説明義務)。

3. 買う人の住宅ローン控除には、築年数が絡む

国税庁タックスアンサー No.1211-3 によると、住宅ローン控除の対象になる中古住宅は、建築後使用されたことのある家屋で、次のどちらかに当たるものです。

どちらにも当たらない家でも、取得の日までに耐震改修を行うことを申請し、居住の日までに耐震基準に適合する証明を受けた場合は、「要耐震改修住宅」として控除の対象になります(No.1211-5。取得の日から6か月以内に居住することなどが要件)。このほか床面積や所得などの要件があります。つまり、買い手が住宅ローン控除を使いたい場合、築50年の家には、耐震基準の証明か取得前の耐震改修の申請という手間が付きます。住宅ローンを使わない買い手や、控除を考えない買い手には関係しない話です。

4. 旧耐震の時代の家がすべて耐震性不足とは限らない

国土交通省の推計(令和5年、総務省「住宅・土地統計調査」をもとにした推計)では、昭和55年以前の戸建て住宅のうち、耐震性不十分が約450万戸、耐震性ありが約350万戸です。国土交通省は、昭和56年以前の建物は「耐震性が不十分なものが多く存在」するとして、まず耐震診断で自分の建物の耐震性を把握するよう案内しています。診断の結果しだいで、不安の大きさが変わります。

言えないこと

築何年なら売れる、築50年ならいくらで売れる、といった数字は書けません。このページで引いた資料に、築年数ごとの売れる確率や価格を示すものがないためです。仲介で売れるか、いくらになるかは不動産会社の査定で、買取での金額は買取会社の査定で決まります。

新耐震基準と旧耐震基準の境目(1981年6月1日)

建築基準法の耐震基準は、1981年(昭和56年)6月1日を境に「旧耐震」と「新耐震」と呼び分けられています。宅地建物取引業法施行規則は、耐震診断の説明の対象から「昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したもの」を除いており、この日付が売買の実務で使われる基準日です。国土交通省も、昭和56年以前の建物を「建築基準法に定める耐震基準が強化される前の、いわゆる『旧耐震基準』によって建築され、耐震性が不十分なものが多く存在」すると説明しています。

「多く存在」であって、すべてではありません。前の節の推計のとおり、昭和55年以前の戸建てにも耐震性ありと推計されるものが約350万戸あります。実際の家の耐震性は、耐震診断で調べます。

自分の家がどちらか確認する方法

相続した実家が旧耐震の時代の建物かを確認する基本的な方法は次のとおりです。

制度ごとに見る日付が違うことに注意してください。宅建業法施行規則は「新築の工事に着手したか」、国税庁の3,000万円特別控除は「建築された日」、住宅ローン控除は「昭和57年1月1日以後に建築されたか」です。昭和56年の後半に建てた家は、制度によって境目の前後が分かれます。建築確認済証と登記事項証明書の両方の日付を確かめておくと、どの制度でも判断できます。

売却時に生じる耐震診断の説明義務

宅地建物取引業者は、売買の相手方に契約が成立するまでに重要事項を書面で説明しなければなりません(宅建業法35条)。35条1項14号の委任を受けた宅地建物取引業法施行規則16条の4の3は、建物の売買について、第5号で次の事項を定めています。

つまり、旧耐震の建物について、すでに受けた耐震診断があるときは、その内容が重要事項説明の対象になります。診断を受けること自体を売却の条件とする規定ではありません。診断を受けていない場合の扱いは、この条文には書かれていません。

説明義務と診断義務は別

「耐震診断の内容を説明する義務」は、すでに診断を受けている場合の話です。旧耐震の建物を売るために耐震診断を新たに受けることを、この規則が求めているわけではありません。診断を取るかどうかは、前の節の買い手の住宅ローン控除(耐震基準適合の証明は取得の日前2年以内のものが要件)や、次の比較を見て、ご自身で判断することになります。

耐震診断を受けるとき

国土交通省は、昭和56年以前に建築された建物について、まず耐震診断で耐震性を把握し、不十分であれば耐震改修や建替えを検討するよう案内しています。耐震診断や耐震改修には費用がかかりますが、国と地方公共団体が協力して様々な支援制度を講じているとしています。費用の目安は、国土交通省の案内先である日本建築防災協会の「耐震改修工事費の目安」にあります。耐震診断・耐震改修の相談窓口の一覧も、同じ国土交通省のページから開けます。

国土交通省は、国土交通省の依頼を受けた、耐震改修が法律で義務付けられていると言われた、といった訪問業者による詐欺的な勧誘にも注意を呼びかけています。国土交通省は個別の住宅の耐震診断や耐震改修を直接行っていません。市区町村の窓口に相談してください。

相続した実家の火災保険・地震保険の名義変更・継続手続きは相続した家の火災保険・地震保険の継続手続きで解説しています。

耐震改修・解体・そのまま売却・買取 4つの選択肢の比較

旧耐震の時代の実家を手放す方法は、大きく4つに分けられます。表の内容は、国税庁・地方税法・買取会社の公式サイトの原文に書かれていることだけです。

選択肢 原文から言えること 費用・注意点
耐震改修して売却・活用 相続した空き家の3,000万円特別控除の「耐震基準を満たす」方法に当たる。買い手のローン控除で使える耐震基準の証明にもつながる 改修の費用がかかる。国と自治体に支援制度があり、内容は自治体ごとに違う
解体して更地で売却 3,000万円特別控除の「全部の取壊し」の方法に当たる。控除の対象は家屋を取り壊したあとの敷地の売却 解体費用がかかる。住宅用地の課税標準の特例(価格の3分の1、200平方メートル以下の部分は6分の1)は居住用家屋の敷地が対象なので、取り壊すと外れる場合がある(地方税法349条の3の2)
現状のまま売却(仲介・古家付き土地) 改修・解体の費用を先に出さずに売りに出せる。令和6年1月1日以後の譲渡は、売ったあと翌年2月15日までに耐震基準を満たす、または全部を取り壊した場合も3,000万円特別控除の対象 耐震診断を受けていればその内容が重要事項説明の対象。買い手の住宅ローン控除には耐震の証明などが要る場合がある
買取会社に売る 公式サイトは築年数を「完全に不問」とし、自社買取のため仲介手数料などの諸費用がかからないと案内している 買取の可否と金額は物件ごとの査定で決まる。仲介で売れた場合の手取りと並べて比べる

判断の目安

どれが合うかは、建物の状態・立地・買い手の層で変わり、原文から一律には言えません。比べる材料は、仲介で売れた場合の価格から費用を引いた額、買取の査定額、改修や解体の見積りの3つです。古家付き土地として売る場合の税金と解体費用の負担は古家付き土地の売却、解体費用は空き家解体工事の費用相場と自治体の補助金・助成金、リフォーム費用は空き家をリフォームして賃貸に出す費用対効果で解説しています。売れない理由が値段ではなく場所や条件にある場合は田舎の空き家・土地が売れない場合の対処法も参考になります。

買取なら築年数は条件になるか

空き家の買取を専門にするラクウルの公式サイトのよくある質問(2026年10月3日に確認)には、次の質問と回答があります。

トップページは「自社買取であるため仲介手数料などの諸費用がかからず」と案内し、査定は無料、現金化は「最短即日で現金化可能です。別途ご相談ください。」としています。

注意点が2つあります。ひとつは、「問題ありません」はよくある質問への回答であり、買取の可否と金額は物件ごとの査定で決まることです。もうひとつは、相続した家の3,000万円特別控除を使う売り方(耐震基準を満たす、または取壊し)に買取で対応できるかが、公式サイトに書かれていないことです。使いたい場合は、問い合わせのときに確かめてください。売却を考えていない段階の問い合わせには向きません。

仲介と買取のどちらが手取りが多いかは、物件ごとに違います。買取の査定額と、仲介で売れた場合の価格から費用を引いた額を並べて比べてください。買取会社の選び方は空き家買取業者の選び方、ラクウルの仕組みは空き家買取ラクウルとはにまとめています。

3,000万円特別控除との関係

相続した空き家を売ったときの「空き家の3,000万円特別控除」は、売る家屋が昭和56年5月31日以前に建築された区分所有でない家屋であることが要件の1つです(国税庁 No.3306)。そのうえで、譲渡の時に耐震基準を満たしているか、全部を取り壊した後に敷地を売る必要があります。令和6年1月1日以後の譲渡は、売ったあと翌年2月15日までに耐震基準を満たすか全部を取り壊した場合も対象です。

期限(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、令和9年12月31日まで)、相続人3人以上のときの2,000万円、売却代金1億円以下、必要書類などの詳しい要件は、空き家の3,000万円特別控除の条件と申請方法をご覧ください。

よくある質問

Q. 築50年の古い家は売れない?

A. 旧耐震の家を売ること自体は禁止されていません。建築基準法3条2項は、規定の施行の際に現に存する建築物がその規定に適合しなくても、その規定を適用しないと定めています。売るために耐震診断を受ける義務もありません。ただし、このページで引いた国税庁・国土交通省・法令の資料には、築年数ごとの売れる確率や価格を示すものはなく、売れるか・いくらになるかは物件ごとの査定で決まります。

Q. 旧耐震の家を買う人は住宅ローン控除を使えない?

A. 使えないとは限りません。国税庁タックスアンサー No.1211-3 によると、中古住宅は昭和57年1月1日以後に建築されたものなら築年数の要件はなく、昭和56年12月31日以前に建築されたものは、取得の日前2年以内に耐震基準に適合すると証明されたものであること、または取得前に耐震改修を申請して入居までに耐震基準に適合する証明を受けることなどが要件です。このほか床面積や所得などの要件があります。住宅ローンを使わない買い手には関係しません。

Q. 旧耐震の家を売るとき、耐震診断は必須?

A. 耐震診断を受けることは売却の条件ではありません。宅地建物取引業法施行規則16条の4の3第5号は、昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものを除く建物が、建築士や指定確認検査機関などによる耐震診断を受けたものであるときに、その内容を重要事項として説明するよう定めています。受けていない場合の扱いは、この規定には書かれていません。

Q. 築50年の家は、買取会社なら築年数で断られない?

A. 買取会社ラクウルの公式サイトのよくある質問は、「築年数が古すぎるのですが大丈夫ですか?」に「はい、問題ありません。築年数については完全に不問です。」と答えています(2026年10月3日に確認)。買取の可否と金額は物件ごとの査定で決まります。

Q. 耐震改修や解体には補助金が使える?

A. 国土交通省は、耐震診断や耐震改修には費用がかかるが、国と地方公共団体が協力して様々な支援制度を講じているとしています。制度の有無・金額は自治体ごとに異なるため、建物のある市区町村の窓口で確認してください。

判断のポイントまとめ

旧耐震の時代の実家をどう手放すかは、建物の状態・立地・買い手の層で最適解が変わります。判断に迷う場合は、次の順序で検討することをおすすめします。

参考・出典

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、耐震診断の実施・耐震改修の必要性は建築士等の専門家にご確認ください。税制上の特例の適用可否は税理士にご相談ください。

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