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古民家・築100年の家は売れる?建物の価値の見られ方・古民家のまま売るか土地で売るか・契約不適合責任の免責・取得費が分からないときの税金
古民家の売り方は、古民家のまま仲介で売る・自治体の空き家バンクに載せる・買取業者に売る・壊して土地として売る、の4通りに分けられます。売値は不動産会社の査定で決まり、このページでは金額を示しません。売主が個人なら、契約不適合責任を負わない特約はできますが、知っていた不具合は告げる必要があります(民法572条)。買った値段が分からなければ、売った金額の5パーセントを取得費にできます(国税庁)。なお、このページでいう古民家は、築年数がかなり古い木造の家のことで、法令上の区分ではありません。
| 売り方 | 向く場面 | 確かめること |
|---|---|---|
| 古民家のまま仲介で売る | 家を使いたい買主を、時間をかけて探せるとき | 媒介契約の種類と期間。専任媒介は有効期間が3か月以内 |
| 空き家バンク | 田舎で、移住や活用を考える人に見つけてもらいたいとき | 登録は自治体を通す。媒介契約を必須とする自治体もある |
| 買取業者に売る | 築年数や残置物で断られた、早く手放したいとき | 買取額の根拠。契約不適合責任の扱いを契約書で |
| 壊して土地で売る | 建物に使い道がなく、土地に買い手がつくとき | 解体費と、壊す前後の査定の差。3,000万円控除の要件 |
出典は宅地建物取引業法34条の2第3項、国土交通省「全国版空き家・空き地バンク Q&A」、ラクウル公式サイト、国税庁タックスアンサー(2026年10月3日取得)。「向く場面」はこのページの整理で、法令の区分ではありません。
自分はどの場合に当てはまるか
- 築年数が古すぎて、値段が付くか不安:節2に、売値の決まり方と、税の計算での建物の扱いを分けて書きました。
- そのまま売るか、壊すか迷う:節3に書きました。建物が付いたままの土地の売り方は古家付き土地の売却、解体費は空き家解体工事の費用と補助金にあります。
- 売ったあとに修理や値引きを求められないか心配:節4に書きました。個人間と不動産会社が売主の場合の違いは契約不適合責任の免責特約にあります。
- 田舎で買い手が見つからない:節5に書きました。登録の手順は空き家バンクに登録するには、ほかの対処は田舎の空き家・土地が売れない場合にあります。
- 買った値段が分からない、書類がない:節6に書きました。計算の手順は取得費が分からないときにあります。
- 売らずに民泊や再生で使いたい:空き家を民泊・古民家再生で活用する方法にあります。耐震の面から迷うときは築50年・旧耐震の古い家は売れる?にあります。
築年数が古い家は、売るときどう見られるか
- 売値の決まり方:公的に決まる額はなく、売主が不動産会社の査定を聞いて売り出し価格を決めます。仲介の媒介契約書には「売買すべき価額又はその評価額」を書き(宅地建物取引業法34条の2第1項2号)、会社が価額や評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければなりません(同条2項)。古民家は建物と土地を分けて、何を根拠にした額かを聞きます。
- 税の計算での建物:譲渡所得の計算で、建物の取得費は、取得価額から所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて求めます。事業に使っていない建物は、耐用年数の1.5倍の年数に対応する旧定額法の償却率(木造は0.031)で、取得価額の95パーセントが限度です(国税庁 No.3261)。これは税金の計算のための決まりで、売れる値段の決まり方ではありません。
- 課税のための評価額:固定資産税評価額や相続税評価額も、課税のための額です。売れる値段との違いは相続した不動産の価値の調べ方にあります。
- 建物の状態を調べるか:既存の建物では、媒介契約書に建物状況調査(インスペクション)を実施する者のあっせんに関する事項を書き(宅地建物取引業法34条の2第1項4号)、重要事項の説明で調査を実施しているかとその結果の概要を伝えます(35条1項6号の2)。国土交通省によると、平成30年4月1日から、調査の結果が既存住宅の取引の重要事項説明の対象です。調査を受けるかは売主が決めます。受けるなら、傷みの程度を買主に伝わる形で示せます。
金額の目安だけ先に知りたいときは不動産のAI査定とはにあります。AI査定は所在地・築年数・面積から推定するもので、建物の傷みは見ません。
古民家のまま売るか、土地として売るか
- 古民家のまま売る:家を使いたい買主が見つかれば、建物も含めた値段で売れます。見つかるまでの期間は決まらないので、媒介契約の期間が切れたあとの動き方を、契約の前に不動産会社に聞きます。
- 土地として売る:建物を全部取り壊して更地にして売ります。壊す費用は先に払い、国税庁は、建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用を譲渡費用の例に挙げています(No.3202)。壊すと、古民家として探している買主には売れなくなります。
- 壊す前に聞くこと:同じ不動産会社に、そのままの査定と更地の査定の両方を出してもらい、解体費の見積もりと比べます。
- 相続した家の3,000万円控除:国税庁 No.3306 では、昭和56年5月31日以前に建築されたことが家屋の要件のひとつです。築年数の古い家は当てはまることがあります。売り方は、耐震基準を満たしたうえで家ごと売るか、全部取り壊したあとの土地を売るかです(令和6年1月1日以後の譲渡は、売った翌年2月15日までに耐震基準を満たす、または全部取り壊す形もあります)。相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。ほかの要件を含む手順は3,000万円特別控除が使える条件と申請方法にあります。
契約不適合責任を負わない契約にできるか
- 責任の中身:引き渡した家が契約の内容に適合しないとき、買主は、修補などの追完(民法562条)、代金の減額(563条)、損害賠償と解除(564条)を求められます。種類・品質の不適合は、買主が知った時から1年以内に通知しなければ、これらを求められなくなります(566条)。売主が引渡しのときに知っていた、または重大な過失で知らなかったときは、この期限は使えません。
- 免責にできる範囲:担保責任を負わない旨の特約をしても、売主が知りながら告げなかった事実と、自分で第三者に設定・譲渡した権利は、責任を免れません(572条)。雨漏り、傾き、シロアリなど、知っている不具合は契約の前に伝えます。シロアリは空き家のシロアリ被害にあります。
- 売主が不動産会社の場合:宅地建物取引業法40条により、民法566条の期間を引渡しの日から2年以上とする特約を除き、買主に不利な特約はできず、反する特約は無効です。このページは売主が個人の場合を扱います。
- 買取業者に売る場合:ラクウルの公式サイトの買取の流れ(2026年10月3日取得)には、「自社買取のため、売却後に契約不適合責任を問われる心配はありません」とあります。実際の条項は契約書で確かめます。
田舎の古民家はどう売るか
- 空き家バンク:国土交通省のQ&Aでは、全国版空き家・空き地バンクへは必ず自治体を介して登録します。掲載には売りたい方の同意が必要で、物件の登録に媒介契約を必須とする自治体もあります。取引のトラブルに、国や運営事業者は関与しません。
- 買取業者:ラクウルの公式サイトのよくある質問には、築年数は「完全に不問」、他社に断られた物件でも「問題ありません」、室内に物が残っている物件でも「問題ありません」とあります。公式サイトに「古民家」の語はないので、対象になるか、いくらになるかは、物件を調べた査定で決まります。
- 買取額の聞き方:ラクウルのAI査定の入力は、所在地・築年数・土地面積です。築年数の選択肢は「50年以上」が最上位で、氏名・電話番号・メールアドレスの欄はありません。買取額を聞くには、公式サイトの上部にあるメール相談の入口で、お名前・電話番号・メールアドレス・物件の種別・都道府県・市区町村を入力します。AI査定とメール相談は別の手続きです。
- 遠方に住んでいる場合:買取の流れのページには、現地の立ち会いは必須ではないとあります(2026年10月3日取得)。
売ったときの税金:取得費が分からないとき
- 概算取得費:売った土地建物の取得費が分からないときは、売った金額の5パーセント相当額を取得費にできます。実際の取得費がそれを下回るときも同じです(国税庁 No.3258)。例として、3,000万円で売って取得費が不明なら150万円です。
- 建物の分:買った値段が分かっても、建物の取得費は減価償却費相当額を差し引いた額になり、取得価額の95パーセントが限度です(No.3261)。築年数が長い家は、差し引く額が大きくなります。
- 引く費用:売るために直接かかった仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代などは譲渡費用として差し引けます(No.3202)。
- 3,000万円控除:相続した家なら、節3の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます(相続人が3人以上のときは2,000万円)。
計算の手順は取得費が分からないとき、税額の全体は家を売ったときにかかる税金にあります。
よくある質問
築100年の古民家でも、売ることはできますか?
築年数だけで売れないと決まる法令の定めは、確かめた範囲では見つかりませんでした。売れるか、いくらで売れるかは、売り方と物件の状態、地域で変わります。ラクウルの公式サイト(2026年10月3日取得)のよくある質問には「築年数が古すぎるのですが大丈夫ですか?」に「はい、問題ありません。築年数については完全に不問です。」とあります。ただし公式サイトに「古民家」の語はなく、買取の対象かどうかと買取額は、物件を調べた査定で決まります。
古民家は、建物を壊して土地として売ったほうがよいですか?
一概には言えません。壊すと、古民家として探している買主には売れなくなります。壊す費用は売る側が先に払い、国税庁は、建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用を譲渡費用の例に挙げています。相続した家なら、3,000万円特別控除は、耐震基準を満たすか、全部取り壊したあとの土地を売る形が要件です。壊す前に、不動産会社に「そのままの査定」と「更地の査定」の両方を聞き、解体費の見積もりと比べます。
古民家を売るとき、契約不適合責任を負わない契約にできますか?
売主が個人の場合、民法572条は、担保責任を負わない旨の特約を認めています。ただし、売主が知りながら告げなかった事実は、特約があっても責任を免れません。雨漏りやシロアリなど知っている不具合は、契約の前に伝えます。売主が不動産会社の場合は、宅地建物取引業法40条で、引渡しの日から2年以上とする特約を除き、買主に不利な特約はできません。
古民家を買った値段が分かりません。税金はどう計算しますか?
国税庁のタックスアンサー No.3258は、取得費が分からないとき、売った金額の5パーセント相当額を取得費にできるとしています。例として、3,000万円で売って取得費が不明なら150万円です。実際の取得費が売った金額の5パーセントを下回るときも同じです。建物の取得費は、取得価額から所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算し(No.3261)、取得価額の95パーセントが限度です。
田舎の古民家が売れません。どうすればよいですか?
自治体の空き家バンクに登録する、買取業者に査定を頼む、売り出し価格と売り方を見直す、の順に確かめます。国土交通省のQ&Aでは、全国版空き家・空き地バンクへの登録は必ず自治体を介し、媒介契約を必須とする自治体もあるとされています。買取は、公式サイトに築年数不問・他社に断られた物件も相談できるとあるラクウルのような専門の会社に、メール相談で査定を頼む方法があります。
参考・出典
- e-Gov法令検索 民法(第562条〜第572条)
- e-Gov法令検索 宅地建物取引業法(第34条の2・第35条・第40条)
- 国税庁 No.3258 取得費が分からないとき
- 国税庁 No.3261 建物の取得費の計算
- 国税庁 No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)
- 国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
- 国土交通省 既存住宅状況調査技術者講習制度について
- 国土交通省 全国版空き家・空き地バンク Q&A(消費者向け・PDF)
- ラクウル よくある質問
- ラクウル 買取の流れ
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、古民家の売却額や買取の可否、税額を保証するものではありません。個別の物件の価格や契約、税の扱いは、不動産会社・司法書士・税理士・税務署などにご確認ください。