固定資産税の免税点|土地30万円・家屋20万円未満は課税されない
固定資産税には免税点があります。同じ市町村内にあなたが持つ土地の課税標準額が30万円、家屋が20万円に満たなければ、市町村は固定資産税を課すことができません(地方税法第351条)。住宅が建つ土地は課税標準が評価額の6分の1や3分の1になるため、評価額が180万円未満(200㎡以下の場合)の土地は、免税点未満になることがあります。ただし、財政上の必要があれば条例で課税する市町村もあるため、納税通知書が届いたなら、その市町村はあなたの土地・家屋に課税しています。
免税点は土地30万円・家屋20万円・償却資産150万円
地方税法第351条は、次のように定めています(2026年10月13日にe-Gov法令APIで取得した原文)。
「市町村は、同一の者について当該市町村の区域内におけるその者の所有に係る土地、家屋又は償却資産に対して課する固定資産税の課税標準となるべき額が土地にあつては三十万円、家屋にあつては二十万円、償却資産にあつては百五十万円に満たない場合においては、固定資産税を課することができない。ただし、財政上その他特別の必要がある場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、その額がそれぞれ三十万円、二十万円又は百五十万円に満たないときであつても、固定資産税を課することができる。」
- 比べる相手は評価額ではなく課税標準額です。住宅用地の特例が適用される土地は、評価額に掛けた後の額で判定します。
- 「満たない」ので、ちょうど30万円は免税点に当たりません。土地の課税標準額が30万円なら課税の対象です。
- 免税点未満でも、条例で課税する市町村があります。ただし書きの条例の有無は、全国一律ではありません。
あなたの土地は免税点未満か|評価額別の早見表
土地の課税標準額は、課税明細書に載っている評価額(価格)に、住宅用地の特例の率を掛けて決まります(地方税法第349条の3の2)。土地全体が当てはまる場合の単純計算を、次の表にまとめました。
| 土地の評価額 | 小規模住宅用地 (200㎡以下・1/6) | 一般住宅用地 (200㎡超の部分・1/3) | 特例なし (評価額そのまま) |
|---|---|---|---|
| 60万円 | 10万円(満たない) | 20万円(満たない) | 60万円 |
| 90万円 | 15万円(満たない) | 30万円 | 90万円 |
| 120万円 | 20万円(満たない) | 40万円 | 120万円 |
| 180万円 | 30万円 | 60万円 | 180万円 |
| 300万円 | 50万円 | 100万円 | 300万円 |
表の「満たない」は課税標準額が30万円未満で、免税点の対象になる場合です。表示のない額は30万円以上で、課税の対象です。同じ市町村内にほかの土地があれば、その課税標準額と合計して判定します。
- 住宅が建つ空き家の土地:住宅用地の特例が適用されていれば、評価額が180万円未満(小規模住宅用地)または90万円未満(一般住宅用地)なら、免税点未満です。特例が適用されているかは、課税明細書で分かります(同法第364条第4項)。
- 更地や、特例が外れた土地:課税標準額は評価額そのままなので、30万円未満の土地だけが免税点の対象です。空家法の勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等の敷地は、住宅用地から除かれます(同法第349条の3の2第1項)。それまで課税されていなかった土地にも課税が始まることがあります(管理不全空家・特定空家の固定資産税シミュレーター)。
- 家屋:住宅用地のような課税標準の特例はなく、家屋の評価額(価格)が20万円に満たないかどうかで判定します。
評価額から税額まで試したいときは固定資産税の早見表、あなたの市町村の水準は全国の市町村別の固定資産税で見られます。
納税通知書が来ない・来たら/合算/共有名義
納税通知書が来ないのは、免税点未満だからか
免税点未満の土地・家屋だけを持っていれば、市町村は課税できないため、納税通知書が届かないことがあります。ただし、届かない理由は免税点だけとは限りません。送付先が古い住所のままの場合もあるため、心当たりがなければ、土地の所在する市町村の資産税担当に課税の有無を尋ねてください。名寄帳や評価証明書の取り方は固定資産税評価額の調べ方で解説しています。
納税通知書が来たら、払うのか
届いたのであれば、その市町村は、その年度にあなたの土地・家屋へ課税しています。課税標準額が免税点以上か、条例で免税点未満にも課税する市町村のどちらかです。「免税点未満のはずだ」と思うときは、納期限までに通知書に書かれた市町村の担当課に理由を確認してください。課税明細書には価格が載っており、住宅用地の特例を受ける土地には価格に率を掛けた金額も載るので、30万円(土地)・20万円(家屋)との差を自分で確かめられます。
同じ市町村内の土地は合算して判定する
条文は「当該市町村の区域内におけるその者の所有に係る土地」と定めています。1筆ごとではなく、同じ市町村内に持つ土地の課税標準額を合計して30万円と比べます。土地と家屋は別枠で、家屋は家屋同士で20万円と比べます。別の市町村にある土地は合計しません。相続でその市町村の土地が増え、合計が30万円に達すると、それまで課税されていなかった人にも課税が始まります。
共有名義の土地は、条文からは判断できない
第351条は「その者の所有に係る」とだけ書いており、共有の持分を課税標準額にどう割り振るかは書いていません。共有物の固定資産税は、共有者が連帯して納付する義務を負うと定められています(同法第10条の2第1項)。共有名義の土地が免税点に届くかどうかは、土地の所在する市町村に確認してください。
免税点未満なら、都市計画税もかからない
固定資産税を課すことができない土地・家屋には、都市計画税も課すことができません(同法第702条の2第2項)。固定資産税だけが免除されて、都市計画税が残ることはありません。
免税点を超えて課税されている空き家は
課税標準額が免税点以上なら、その土地・家屋には毎年固定資産税がかかります。住宅が建っている間は住宅用地の特例が働きますが、空家法の勧告を受けると、特例が外れて課税標準額が評価額そのものに戻ります。税額が何倍になるかは、管理不全空家・特定空家の固定資産税シミュレーターで試算できます。
税額の計算方法と、相続した不動産の納税義務者は固定資産税の計算方法と軽減措置に、放置した場合に起きることは空き家を放置するとどうなる?にまとめています。
不動産を売却・取得したときにかかる不動産取得税にも免税点がありますが、固定資産税とは別の制度です。不動産取得税の計算機で確認できます。
減免は市ごとの条例で決まる
免税点とは別に、固定資産税を軽くする「減免」の制度があります。地方税法第367条は、天災その他特別の事情がある場合や、生活のため公私の扶助を受けている場合などに限り、市町村の条例の定めるところにより、市町村長が固定資産税を減免できると定めています。
減免の対象になる事情・手続き・期限は、市町村の条例によって異なります。全国一律の制度ではないため、減免を考えるときは、土地・家屋の所在する市町村の資産税担当に尋ねてください。
よくある質問
免税点の30万円・20万円は、固定資産税評価額のことですか?
いいえ。地方税法第351条が比べるのは「課税標準となるべき額」です。住宅用地の特例が適用される土地は、評価額に6分の1(200㎡以下の部分)または3分の1(200㎡を超える部分)を掛けた額が課税標準になるため、評価額が180万円未満(200㎡以下の場合)でも、課税標準額が30万円に満たないことがあります。特例の有無と課税標準額は、毎年届く課税明細書で確認できます(同法第364条第4項)。
免税点未満なら、都市計画税もかかりませんか?
かかりません。地方税法第702条の2第2項が、第351条の規定により固定資産税を課することができない土地・家屋には都市計画税を課することができないと定めています。ただし、条例で固定資産税を課している市町村では、その土地・家屋に都市計画税も課されるかどうかを市町村に確認してください。
相続した土地で、課税が始まることはありますか?
あります。免税点は、同じ市町村内にあなたが所有する土地の課税標準額を合計して判定します。相続でその市町村の土地が増えて、合計が30万円に達すれば、それまで課税されていなかった人にも課税されます。逆に、別の市町村にある土地とは合計しません。
免税点未満なら、納税通知書は届きませんか?
免税点未満で課税されない土地・家屋だけを持っている場合、その市町村からは納税通知書が届かないことがあります。ただし、届かない理由は免税点だけとは限りません。心当たりがなければ、土地の所在する市町村の資産税担当に、課税の有無と名寄帳の記載を尋ねてください。取り方は固定資産税評価額の調べ方にあります。
不動産取得税の免税点と同じものですか?
別の制度です。固定資産税の免税点は地方税法第351条、不動産取得税の免税点は同法の不動産取得税の規定にあり、課税の根拠も金額も異なります。不動産取得税が課されるかどうかは不動産取得税の計算機で確認できます。