売却・費用 読了時間:約10分

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アパート売却の税金はいくら?計算・減価償却・相続した場合の3年以内の特例|譲渡所得の取得費、長期と短期の税率、居住用3,000万円控除、消費税、固定資産税の精算を国税庁の原文で

アパートを売ったときの税金は、売った金額から取得費と譲渡費用を引いた「譲渡所得」に、所有期間で決まる税率を掛けて計算します。税率は、譲渡した年の1月1日に所有期間が5年を超える長期が所得税15%・住民税5%、5年以下の短期が所得税30%・住民税9%で、所得税には復興特別所得税が別にかかります(国税庁、令和8年4月1日現在)。建物の取得費は減価償却費相当額を引いた額で、相続したアパートは、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売ると、相続税の一部を取得費に加算できます。仮の数字で計算例も作りました。

確かめたいこと国税庁・e-Govの原文この記事の節
税額の計算の式収入金額-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得。他の所得と分けて計算節2
建物の減価償却取得費は、購入代金から所有期間中の減価償却費相当額を引く節3
長期と短期の税率1月1日に所有5年超は15%+5%、5年以下は30%+9%節4
相続したアパートの特例相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売ると、相続税の一部を取得費に加算節5
居住用3,000万円控除対象は自分が住んでいた家屋など。貸している一棟は挙げられていない節6
消費税非課税の一覧に土地の譲渡はあるが建物の譲渡はない。納税義務の免除の基準は課税売上高1,000万円以下節7
固定資産税の精算固定資産税は譲渡費用にならない。精算金の扱いは記載なし節8

出典は国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等、2026年10月4日取得)、e-Gov法令検索の租税特別措置法・相続税法。

自分はどの場合に当てはまるか

譲渡所得はどう計算するか。取得費・譲渡費用・5%の概算

建物の減価償却は、売るときにどう引くか

建物の区分非業務用の償却率備考
木造0.031―
木骨モルタル0.034―
(鉄骨)鉄筋コンクリート0.015―
金属造①0.036軽量鉄骨造のうち骨格材の肉厚が3ミリメートル以下
金属造②0.025軽量鉄骨造のうち骨格材の肉厚が3ミリメートル超4ミリメートル以下

国税庁タックスアンサー No.3261(令和8年4月1日現在法令等)。事業に使われていた場合は、この表ではなく毎年の減価償却費の合計を使います。

長期と短期の税率はいくらか。仮の数字で計算する

区分国税庁の原文の税率3つの税の合計(当サイトの計算)
長期(所有5年超)所得税15%・住民税5%、所得税額に2.1%の復興特別所得税20.315%(15%+0.315%+5%)
短期(所有5年以下)所得税30%・住民税9%、所得税額に2.1%の復興特別所得税39.63%(30%+0.63%+9%)

出典は国税庁タックスアンサー No.3208・No.3211。合計の列は、原文の率を足した当サイトの計算です。

計算例(当サイトの仮定。実際の額は個々の事情で変わります)

相続した木造アパートを、被相続人が取得してから5年超経った後に、6,000万円で売った場合の仮の数字です。被相続人の購入代金は、土地2,500万円・建物3,000万円、建物の減価償却費の合計は1,800万円、譲渡費用(仲介手数料など)は250万円とします。

項目金額計算
売った金額6,000万円仮定
取得費3,700万円土地2,500万円+建物(3,000万円-1,800万円)1,200万円
譲渡費用250万円仮定
譲渡所得2,050万円6,000万円-(3,700万円+250万円)
所得税307万5,000円2,050万円×15%
復興特別所得税6万4,575円307万5,000円×2.1%
住民税102万5,000円2,050万円×5%
3つの税の合計416万4,575円2,050万円×20.315%

同じ仮定で取得費が分からず概算取得費(売った金額の5%=300万円)を使うと、譲渡所得は5,450万円、3つの税の合計は1,107万1,675円です。実際の取得費が分かるなら、5%より多い額を使えます。同じ譲渡所得2,050万円が短期なら、合計は812万4,150円です。

相続したアパートは、3年以内に売ると何が変わるか

節4の仮の例で、加算される相続税額が300万円だった場合は、取得費が3,700万円から4,000万円になり、譲渡所得は1,750万円です。3つの税の合計は355万5,125円で、加算がない場合より60万9,450円少なくなります(当サイトの仮定と計算)。

居住用の3,000万円特別控除は使えるか

アパートの売却に消費税はかかるか

売った年の固定資産税の精算はどう扱うか

よくある質問

アパートを売ったときの税金は、いくらですか?

売った金額から、取得費と譲渡費用を引いた譲渡所得に税率を掛けて計算します(国税庁タックスアンサー No.3202)。税率は、譲渡した年の1月1日に所有期間が5年を超える長期が所得税15%・住民税5%、5年以下の短期が所得税30%・住民税9%で、所得税には別に復興特別所得税(所得税額×2.1%)がかかります。取得費・譲渡費用で譲渡所得が変わるため、同じ売却価格でも税額は物件ごとに違います。

アパートの減価償却は、売るときにどう計算しますか?

建物の取得費は、購入代金などの合計額から、所有期間中の減価償却費相当額を引いた額です(No.3261)。建物が事業に使われていた場合は、取得してから売るまでの毎年の減価償却費を合計します。毎年の減価償却費を必要経費にしていなかった部分があっても、合計することに変わりはないとされています。事業に使われていなかった場合は、取得価額×0.9×償却率×経過年数で計算します。

取得費が分からないときは、どうなりますか?

取得費が分からないとき、または実際の取得費が売った金額の5%より少ないときは、売った金額の5%を取得費(概算取得費)にできます(No.3258)。3,000万円で売って取得費が不明なら、150万円です。ただし、相続した資産で5%を使うときは、相続人が支払った登記費用などを取得費に含められません(No.3270)。

相続したアパートを売るとき、「3年以内」の特例とは何ですか?

相続税が課税された人が、相続した土地・建物などを一定期間内に売ると、相続税額のうち売った財産に対応する部分を取得費に加算できる特例です(No.3267、租税特別措置法第39条)。期間は、相続開始の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内(相続税法第27条)なので、相続の開始からはおおむね3年10か月が目安です。確定申告で適用を受ける旨を書き、明細書を添付します。

居住用の3,000万円特別控除は、賃貸アパートの売却に使えますか?

国税庁の説明(No.3302)が対象にするのは、現に自分が住んでいる家屋、以前に住んでいた家屋(住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日まで)、その敷地などです。入居者に貸している一棟のアパートそのものは、対象として挙げられていません。自分が住んでいた部屋がある場合の扱いは原文から判断できないため、税務署か税理士に確かめてください。被相続人が住んでいた家屋を売る場合の特例は、別のコラムに書きました。

アパートを売ると、消費税はかかりますか?

国税庁の非課税取引の一覧(No.6201)には、土地の譲渡や住宅の貸付けは載っていますが、建物の譲渡は載っていません。ただし、消費税の納税義務は、基準期間(個人は前々年)の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として免除されます(No.6501)。免除されるのは売主が免税事業者のときで、適格請求書発行事業者の登録をしている場合などは免除されません。売主がどちらかは、契約の前に税務署か税理士に確かめてください。

売った年の固定資産税の精算金は、譲渡費用に入りますか?

国税庁の説明(No.3255)は、修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用は、譲渡費用にならないとしています。買主と日割りで精算した固定資産税の扱いは、今回確かめた国税庁の項目には載っていませんでした。精算の有無と額は売買契約書に書かれているので、確定申告の前に税務署か税理士に確かめてください。

参考・出典

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税額や申告に対する助言ではありません。計算例の数字は当サイトの仮定です。税額や特例の適用は個々の事情で変わるため、売却の前に税務署や税理士に確かめてください。

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