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家族葬の費用はいくら?親の葬儀代は誰が払う・故人の預金から払えるか|プランの内訳・葬祭費と埋葬料・葬祭扶助・相続税で引けるかを法律と公式の原文で
家族葬の費用に、国が決めた全国一律の金額は見つかりませんでした。葬儀社ごとに違うため、出典のある表示を並べます。ソファミの表示では、家族葬(通夜と告別式の2日間)が資料割引の適用で税込438,900円で、火葬場に支払う火葬料金は別です。葬儀代を誰が払うかを直接定める条文は、民法の全文に見つかりませんでした。故人の預金は、遺産分割の前でも、各相続人が単独で払い戻せます(同じ金融機関からの払戻しは150万円が上限)。協会けんぽの埋葬料は50,000円です。
| 知りたいこと | 原文で確かめた答え | 条件・出典 |
|---|---|---|
| 家族葬の費用 | ソファミは税込438,900円(資料割引の適用後) | 火葬料金は別。追加料金がかかる場合あり。葬儀社の表示 |
| 誰が払うか | 負担者を直接定める条文は見つからず | 民法の全条文を検索(306・309条は先取特権) |
| 故人の預金から払えるか | 預金額×1/3×法定相続分まで、同じ金融機関で150万円が上限 | 民法909条の2・法務省令・全国銀行協会 |
| 給付金 | 協会けんぽの埋葬料50,000円。国保・後期高齢者医療の葬祭費は条例で決まる | 加入していた健康保険による |
| 払えないとき | 葬祭扶助がある | 生活保護法18条。金額は未確認 |
出典は e-Gov法令検索、全国銀行協会、協会けんぽ、国税庁、ソファミ(いずれも2026年10月4日取得)。
自分はどの場合に当てはまるか
- これから葬儀の依頼先を決める:プランごとの費用の表示は節2、預金から払える額は節4に書きました。
- 葬儀は済んだ。立て替えた分を誰が負担するのか知りたい:節3に書きました。
- 手元のお金が足りない:故人の預金は節4、給付金は節5、公的な助けは節6にあります。
- 葬儀の費用が相続税に関係するか知りたい:節7と葬儀費用と香典は相続税でどう扱う?にあります。
- 葬儀のあとの遺骨・納骨の費用:納骨の費用はいくら?に書きました。
家族葬・1日葬・直葬は、何が違い、いくらかかるのか
国が決めた金額は見つからなかったため、葬儀社が表示している料金を、ソファミの例で並べます。他社の料金は確かめていません。
| プラン(ソファミの区分) | 内容の表示 | 料金の表示 |
|---|---|---|
| 家族葬 | 通夜と告別式の2日間。10万円相当の生花祭壇 | 資料割引の適用で税込438,900円(通常価格は税抜499,000円) |
| 1日葬 | 通夜をせず、告別式のみの1日。4万円相当の生花祭壇 | 資料割引の適用で税込328,900円(通常価格は税抜399,000円) |
| 火葬式 | 式場を使わず火葬のみ。家族のみ、お別れ用の花束付き | 資料割引の適用で税込174,900円(通常価格は税抜209,000円) |
| 直葬 | お寺も呼ばない火葬のみ。家族のみ、お花なし | 資料割引の適用で税込86,900円(通常価格は税抜129,000円) |
出典はソファミ(sougi-korekara.com)のプラン料金・各プランのページ・資料請求ページ(2026年10月4日取得)。火葬場に支払う料金は含まれません。
- 家族葬に含まれる主なもの(ソファミの表示):寝台車での搬送、安置3日分、ドライアイス3日分、枕飾り、式場利用料金(2日、税込11万円)、10万円相当の生花祭壇、遺影写真、会葬礼状、白木位牌、骨壺・骨箱などです。役所手続きと火葬手続きの代行も含まれます。
- お寺を呼ぶとき:ソファミは、お寺の手配(家族葬)を追加オプションとして定額250,000円で案内しています。読経料などのお礼は、相続税の計算で差し引ける葬式費用の例に挙がっています(節7)。
- 割引が使えない場合:ソファミの資料請求ページは、資料請求の当日と翌日に葬儀を依頼した場合は、割引が適用されないとしています。
- 火葬までの日数:墓地、埋葬等に関する法律3条は、埋葬又は火葬は、死亡後24時間を経過した後でなければ行ってはならないとしています。火葬は市町村長の許可が必要です(5条)。通夜をしない1日葬や直葬でも、この24時間は変わりません。
追加料金がかかるのは、どんなときか
ソファミは、プランの料金のほかに、次のような場合に追加料金がかかるとしています。
- 火葬場の空き状況などで、安置の日数がプランの規定を超えるとき
- 希望した式場の料金が、プランの規定を超えるとき(参列者が増えたときなど)
- 搬送の距離が規定を超えるとき。高速道路を使った場合は、高速料金が全額お客様負担
- 会葬礼状が規定の枚数を超えるとき
- 事故・事件などで警察の指定する備品や検案料が必要なとき。故人の状態によって、防臭・感染処理の対策が必要なとき
- プランに含まれない物品やサービスを追加したとき
火葬場に支払う料金は、いくらか
ソファミは、火葬場の運営は地方自治体(一部地域を除く)で、金額は地域や自治体によって異なると案内しています。同社が載せた表(2026年4月時点の市民料金・非課税)では、青森市・秋田市・山形市・宇都宮市・前橋市・新潟市・富山市・浜松市・山口市が無料、札幌市が大人16,000円、仙台市が9,000円、横浜市が12,000円、大阪市が10,000円、福岡市が20,000円、那覇市が25,000円です。東京都の区は、民営7場が大人75,000円〜145,000円、公営2場が40,000円〜75,000円とされています。自治体の公式ページとは照合していません。市外の住民は料金が異なります。
親の葬儀代は、誰が払うのか
e-Gov法令検索で、民法の全条文から「葬」と「喪主」を探しました。
- 「葬」を含む条は4か所:306条(一般の先取特権の原因の一つに「葬式の費用」)、309条(葬式費用の先取特権)、873条の2(成年後見人が、成年被後見人の死亡後にできる行為の一つに、その死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結)、909条の2(預貯金の払戻しの限度額を決める事情に、平均的な葬式の費用の額)です。「喪主」を含む条はありませんでした。
- 306条・309条の内容:葬式の費用の債権を持つ者は、債務者の総財産について先取特権を持ちます。309条は、その先取特権が、債務者のためにされた葬式の費用のうち相当な額に存在すると定めています。債務者がその扶養すべき親族のためにした葬式の費用のうち相当な額にも存在します。
- 誰が負担するか:葬式の費用を誰が負担するかを、直接定める条文は見つかりませんでした。
- 祭祀を主宰する人:897条は、系譜・祭具・墳墓の所有権を、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継すると定めています(被相続人の指定があればその者)。ここにも、葬式の費用の負担者を決める定めはありません。
- 税金の側:国税庁は、一定の相続人および包括受遺者が負担した葬式費用を遺産総額から差し引けるとしています(節7)。誰の負担分を引けるかは、葬儀費用と香典は相続税でどう扱う?に書きました。
原文から分かるのはここまでです。立て替えた分を相続人の間でどう精算するかは、個別の事情で変わります。決まらないときは、弁護士などの専門家にご確認ください。
故人の預金から、葬儀代を払えるのか
- 口座は凍結される:全国銀行協会は、口座名義人が亡くなったことを金融機関に連絡すると、その口座での取引(預金の入出金等)は原則として制限されるとしています。
- 遺産分割の前でも払い戻せる額:民法909条の2は、各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち、相続開始時の債権額の3分の1に自分の法定相続分を乗じた額については、単独で権利を行使できるとしています。限度額は、標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額などを勘案して、法務省令で定めるとされ、省令(平成30年法務省令第29号)は150万円としています。
- 全国銀行協会の説明:口座ごと(定期預金は明細ごと)に「相続開始時の預金額×1/3×法定相続分」で求めた額を、家庭裁判所の判断を経ずに払い戻せます。同じ金融機関(全支店)からの払戻しは150万円が上限です。例として、相続人が長男・次男の2名で、1口座の普通預金が600万円なら、長男が単独で払い戻せるのは600万円×1/3×1/2=100万円です。
- 目的:全国銀行協会のリーフレットは、遺産分割が終わる前でも、当面の生活費や葬儀費用の支払いなどのために相続預金の払戻しを受けられるようにした制度としています。
- あとで調整される:払い戻された預金は、後日の遺産分割で、払戻しを受けた相続人が取得したものとして調整されます。遺言相続のために制度を使えない場合などもあります。
- 必要な書類:本人確認書類のほか、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、払戻しを希望する人の印鑑証明書などが、おおむね必要です。金融機関によって異なります。
手続きの詳しい流れは、亡くなった人の銀行口座の凍結と解除に書きました。
葬祭費・埋葬料は、いくらもらえるのか
- 国民健康保険の葬祭費:国民健康保険法58条1項は、市町村及び組合は、被保険者の死亡に関しては、条例又は規約の定めるところにより、葬祭費の支給又は葬祭の給付を行うものとすると定めています。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができます。額は条例で決まるため、市区町村ごとに異なります。
- 後期高齢者医療の葬祭費:高齢者の医療の確保に関する法律86条は、後期高齢者医療広域連合は、被保険者の死亡に関しては、条例の定めるところにより、葬祭費の支給又は葬祭の給付を行うものとすると定めています。
- 協会けんぽの埋葬料:協会けんぽは、被保険者・被扶養者が業務外の事由により亡くなった場合に、埋葬料(費)が支給されるとしています。被保険者により生計を維持されていた方が申請すると、埋葬料50,000円です。
- 生計を維持されていた人がいないとき:被保険者と生計維持関係にない「埋葬を行った方」が申請すると(埋葬料を申請できる方がいない場合のみ)、50,000円の範囲内で、実際に埋葬に要した費用(霊柩車代、霊柩運搬代、霊前供物代、火葬料、僧侶の謝礼等の実費)が支給されます。健康保険法100条も、同じ枠組みです。
- 被扶養者が亡くなったとき:被保険者が申請し、家族埋葬費として50,000円が支給されます。
- 資格喪失後:被保険者だった方が資格喪失後3か月以内に亡くなったときなどにも、埋葬料または埋葬費が支給されます。
この節で確かめられなかったこと:各市区町村の国民健康保険の葬祭費の額、後期高齢者医療の葬祭費の額、申請の期限、組合健保など協会けんぽ以外の埋葬料の額です。親が加入していた健康保険を、保険証・資格確認書で確かめて、その保険者に問い合わせます。
葬儀代が払えないとき、公的な助けはあるのか
- 葬祭扶助:生活保護法18条は、葬祭扶助を、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、検案、死体の運搬、火葬又は埋葬、納骨その他葬祭のために必要なものの範囲内で行うと定めています。
- 葬祭を行う人への扶助:被保護者が死亡した場合にその葬祭を行う扶養義務者がないとき、または死者に対してその葬祭を行う扶養義務者がない場合に、遺した金品では葬祭に必要な費用を満たせないときは、葬祭を行う者に対して、葬祭扶助を行うことができます(18条2項)。
- 給付の方法:金銭給付が原則で、扶助の保護金品は、葬祭を行う者に交付されます(37条)。死者が遺した金銭や有価証券は、保護費に充てることができます(76条)。
扶助の金額と、申請の窓口は、今回確かめられませんでした。葬儀の契約をする前に、お住まいの市区町村の窓口へ相談してください。
葬儀代は、相続税で差し引けるのか
- 差し引ける人:国税庁のタックスアンサーNo.4129(令和8年4月1日現在法令等)は、相続税を計算するときに、一定の相続人および包括受遺者が負担した葬式費用を、遺産総額から差し引けるとしています。
- 差し引ける例:葬式や葬送に際し、またはこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用、葬式の前後に生じた費用で通常葬式にかかせない費用(お通夜などにかかった費用)、お寺などに読経料などのお礼をした費用です。
- 差し引けない例:香典返しのためにかかった費用、墓石や墓地の買入れ・墓地を借りるためにかかった費用、初七日など法事のためにかかった費用は含まれません。
- 詳しくは:香典は課税されるか、誰が払った分を誰の財産から引くのかは、葬儀費用と香典は相続税でどう扱う?にあります。
よくある質問
家族葬の費用に、決まった金額はありますか?
国が、家族葬の費用を全国一律に定めたものは、今回確かめた範囲では見つかりませんでした。公的な統計の金額も、今回は取得できていません。葬儀社の表示では、ソファミの家族葬(通夜と告別式の2日間)が、資料割引の適用で税込438,900円(通常価格は税抜499,000円)です。火葬場に支払う火葬料金は含まれません。式場、搬送の距離、安置の日数などで追加料金がかかることもあるため、見積もりの内訳を確かめてください。
親の葬儀代は、誰が払わなければなりませんか?
民法の全条文から「葬」を含む条を探しましたが、葬式の費用を誰が負担するかを直接定める条文は見つかりませんでした(「喪主」を含む条もありません)。葬式の費用を持つ債権者が債務者の財産に先取特権を持つこと(306条・309条)と、預貯金の払戻しの限度額を決める際に平均的な葬式の費用の額が考慮されること(909条の2)が、条文に出てくる範囲です。相続人の間で誰がいくら出すかは、話し合いになります。
亡くなった親の預金から、葬儀代を払えますか?
亡くなったことを金融機関に連絡すると、その口座での入出金などは原則として制限されます(全国銀行協会)。ただし、遺産分割の前でも、各相続人は、口座ごとに「相続開始時の預金額×3分の1×自分の法定相続分」までは、単独で払戻しを請求できます(民法909条の2)。同じ金融機関からの払戻しは150万円が上限です(法務省令)。全国銀行協会は、この制度を当面の生活費や葬儀費用の支払いなどのためとしています。払い戻した預金は、後日の遺産分割で、払戻しを受けた相続人が取得したものとして調整されます。
葬祭費や埋葬料は、いくらもらえますか?
国民健康保険は、市町村が条例で定めるところにより葬祭費を支給します(国民健康保険法58条)。額は条例で決まるため、市区町村の窓口で確かめてください。後期高齢者医療も、広域連合が条例で定める葬祭費があります(高齢者医療確保法86条)。協会けんぽは、被保険者が業務外の事由で亡くなったとき、生計を維持されていた方の申請に埋葬料50,000円を支給します。被扶養者が亡くなったときは、被保険者に家族埋葬費として50,000円です。組合健保など協会けんぽ以外の額は、今回確かめられませんでした。
葬儀代が払えないとき、公的な助けはありますか?
生活保護法18条は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に、葬祭扶助(検案・死体の運搬・火葬又は埋葬・納骨その他葬祭のために必要なもの)を行うと定めています。葬祭を行う扶養義務者がいないときなどは、葬祭を行う者に扶助を行えるともされています。扶助の金額と、申請の窓口は、今回確かめられませんでした。葬儀の契約をする前に、お住まいの市区町村の窓口へ相談してください。
火葬場に払う費用は、葬儀プランの料金に含まれますか?
ソファミは、火葬にかかる料金は別途、火葬場へ支払うと案内しています。同社が載せた表(2026年4月時点の市民料金・非課税)は、青森市・秋田市・山形市などが無料、札幌市の大人が16,000円、東京都の区の民営7場が大人75,000〜145,000円です。自治体の公式ページとは照合していません。市外の住民は料金が異なります。
葬儀代は、相続税の計算で差し引けますか?
国税庁のタックスアンサーNo.4129は、一定の相続人および包括受遺者が負担した葬式費用を、遺産総額から差し引けるとしています。通夜など通常葬式にかかせない費用や、読経料などのお礼も例に挙がっています。一方、香典返し、墓石・墓地、初七日など法事の費用は含まれません。誰の負担分を引けるかは、別の記事に整理しました。
参考・出典
- e-Gov法令検索 民法(第306・309・873条の2・897・909条の2)・民法第九百九条の二に規定する法務省令で定める額を定める省令
- e-Gov法令検索 墓地、埋葬等に関する法律(第3・5条)
- e-Gov法令検索 国民健康保険法(第58条)・高齢者の医療の確保に関する法律(第86条)・健康保険法(第100・113条)
- e-Gov法令検索 生活保護法(第18・37・76条)
- 全国銀行協会 預金相続の手続の流れ・遺産分割前の相続預金の払戻し制度(PDF)
- 協会けんぽ 埋葬料・埋葬費
- 国税庁 タックスアンサー No.4129 相続財産から控除できる葬式費用
- ソファミ(旧「家族葬のこれから」)(葬儀社の販売サイトの案内。プラン料金・各プランのページ・資料請求ページを2026年10月4日に確認。火葬料金の表は同社の記載で、自治体の公式ページとは照合していません)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の葬儀や相続の取扱いに対する助言ではありません。費用や条件は、葬儀社、地域、加入している健康保険、年度によって異なります。手続きの前に、葬儀社、金融機関、市区町村の窓口、加入している健康保険の保険者、税務署や弁護士・税理士などの専門家にご確認ください。