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実家や空き家を担保にお金は借りられる?不動産担保ローンの仕組み・親名義の実家を担保にするとき・相続した空き家・返せないときに担保がどうなるか
実家や空き家は、条件が合えば担保にしてお金を借りられる場合があります。ただし、借りられるか・いくら借りられるかは貸し手の審査で決まり、返せなくなると担保の不動産が競売にかかります。民法369条1項は、債務者または第三者が占有を移転しないで担保に供した不動産について、抵当権者が他の債権者に先立って弁済を受ける権利を持つと定めています。つまり、担保にしても住み続けたまま設定できる仕組みで、借りる人以外の名義の不動産も担保にできる書き方です。相続した空き家は、貸し手によっては名義を相続人に変えてからが前提になります。
| 担保にする不動産 | 先に要ること | 根拠 |
|---|---|---|
| 自分名義の実家・空き家 | 貸し手の審査。先に借りている分があるときは、その順位 | MRF公式FAQ。民法369条 |
| 親名義の実家 | 所有者(親)が担保を出すこと。子が返せないと親が実家を失う | 民法369条・372条。MRF公式FAQ |
| 相続したが名義が故人のまま | 貸し手によっては、相続人への名義変更が先 | MRF公式FAQ。不動産登記法76条の2 |
| きょうだいと共有の実家 | 共有者の担保提供。連帯保証人になる必要はないとMRFは案内 | MRF公式FAQ |
出典は民法(e-Gov法令検索)、不動産登記法、エムアールエフ(MRF)公式サイトのよくある質問(いずれも2026年10月4日取得)。貸し手によって条件は違います。
自分はどの場合に当てはまるか
- 事業の資金が要る(個人事業主・法人):節2から節5に書きました。事業資金向けの不動産担保ローンは、実家や空き家を担保に設定できる場合があります。
- 生活費や老後の資金が要る:事業資金向けの商品は、資金使途が事業資金の範囲内に決まっています(MRF公式FAQ)。使い道が生活資金のときは、使い道を限らない商品か、節6の売る・リースバックを比べます。
- 親が亡くなり、名義が親のままの空き家がある:節4に書きました。
- 住み続けたまま資金を作りたい:節2の抵当権と、節6のリースバックの違いを読んでください。
- すでに住宅ローンが残っている:節4の順位の話と、オーバーローンの家は売れる?があります。
- 返済が苦しい:節7と住宅ローンが払えなくなったらがあります。
不動産担保ローンは、どんな仕組みか
- 担保の仕組み:民法369条1項の抵当権は、債務者または第三者が占有を移転しないで担保に供した不動産について、抵当権者が他の債権者に先立って弁済を受ける権利です。不動産を渡さずに、住んだまま担保にできるのが特徴です。
- 登記:民法177条は、不動産に関する物権の変動は、登記をしなければ第三者に対抗できないとしています。担保を付けるときは、抵当権や根抵当権の登記をします。
- 根抵当権:民法398条の2は、一定の範囲の不特定の債権を、極度額の限度で担保する抵当権(根抵当権)を設定できるとしています。MRFの貸付条件には、担保として「土地・建物に根抵当権設定」と表示されています。
- 借入額の決まり方:今回確かめた原文に、担保の評価額の計算方法や、評価額に対する借入額の割合は載っていませんでした。MRFの公式サイトは、お借入可能額を試算できるシミュレーションを置き、貸付条件のページに「要審査」と表示しています。
- 金利の表示:MRFの貸付条件は、「契約年率」と「実質年率」を別に表示しています。比べるときは、どちらの年率かと、事務手数料・登記費用を合わせて見ます。
- 期間と日数:MRFは、審査に必要な書類を提出してから数日程度(土日祝日を除く)で対応すると案内しています。担当者が指定の場所へ訪問するのが原則で、来店による手続きもできるとしています。
MRFの公式サイトに表示されている貸付条件のうち、実家や空き家の担保に関わる2つのプランは次のとおりです。
| 項目 | 長期間元金据置プラン | オーダーメイドプラン |
|---|---|---|
| 借入限度額 | 100万円〜3億円 | 50万円〜3億円 |
| 契約年率 | 4.00%〜9.90% | 6.00%〜15.00% |
| 実質年率 | 15.00%以内 | 15.00%以内 |
| 事務手数料 | 融資金額の3.30%(税込) | 融資金額の0%〜3.30%(税込) |
| 資金使途 | 事業性資金 | 事業性資金 |
| 返済方式 | 元金据置一括返済 3年以内(最長15年まで更新可能。更新手数料3.30%) | 元利均等返済 35年以内 |
| 期限前償還 | 残元金に3.00%の違約金 | 残元金に3.00%の違約金 |
| 担保・登記費用 | 土地・建物に根抵当権設定。登記設定費用・抹消費用はお客様負担 | |
出典はエムアールエフ公式サイト「商品のご案内」(2026年10月4日取得)。審査があり、お客様や担保物件により必要書類が異なる場合があると表示されています。金利や条件は変わることがあるため、申込の前に公式サイトで確かめてください。
親名義の実家を担保にするとき、何が要るのか
- 他人の不動産も担保にできる書き方:民法369条1項は、「債務者又は第三者」が担保に供した不動産を対象にしています。借りる人と不動産の所有者が違っていても、仕組みの上では担保にできます。
- 担保を出す人の立場:民法372条は、他人の債務を担保するための質権の規定(351条)を、抵当権にも準用しています。他人の債務を担保した人が、債務を払ったり担保の実行で所有権を失ったりしたときは、債務者に求償権を持ちます。担保を出した親は、子が返せないときに実家を失う立場にあります。
- 貸し手の案内:MRFの公式サイトは、本人所有でなくても、不動産を所有している人の担保提供があれば可能と案内しています。
- 共有名義:MRFは、共有名義の不動産では共有者の担保提供が必要で、連帯保証人になる必要はないと案内しています。
- 保証人:MRFは、連帯保証人は原則不要、ただし法人契約の場合は代表者の連帯保証が必要としています。
- 権利証:MRFは、担保設定後に基本的にお客様へ返すと案内し、紛失した場合も融資は可能としています。
相続した空き家は、担保にできるのか
- 居住していない実家:MRFの公式サイトは、居住されていない不動産でも、担保として融資の申込ができるとしています。
- 名義が故人のままのとき:MRFは、亡くなった家族名義の不動産は、相続人を特定してその不動産を相続すれば可能と案内しています。名義を変えていない相続予定の不動産は、融資のときに名義の変更が必要としています。
- 相続登記の期限:不動産登記法76条の2は、相続で所有権を取得した人は、取得したことを知った日から3年以内に所有権の移転の登記を申請しなければならないとしています。法務省は、正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料が科される可能性があるとしています。令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産は、令和9年3月31日までに登記する必要があります。
- 登記の進め方:相続登記の期限と手続きは、相続した不動産の名義変更(相続登記)の義務化と手続きにあります。
- 先の借入が残るとき:MRFは、担保予定の不動産に銀行の設定が入っていても、第2番順位以下で融資できると案内しています。
貸金業者から借りるとき、年収の3分の1の制限はあるのか
- 総量規制:金融庁のQ&Aでは、貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合は、新たな借入れができなくなる規制です。複数の貸金業者から借りているときは、合計で数えます。
- 法人・個人事業者:法人向けの貸付けは対象外です。個人事業者は、事業・収支・資金計画を出して返済能力が認められれば、上限に特段の制約なく借入れできる場合があるとされています。借入金額が100万円以下のときは、計画の代わりに、事業・収支・資金繰りの状況が分かる書面で借りられます。最終的に貸すかどうかは貸金業者が決めます。
- 銀行:銀行の貸付けは貸金業法の規制(総量規制)の対象外です。
- 不動産担保との関係:不動産担保の貸付けがこの規制でどう扱われるかは、今回確かめた金融庁のQ&Aに載っていませんでした。借りる先に確かめます。
- 登録の確認:日本貸金業協会は、お金を借りるときは、相手が財務局長または都道府県知事の登録を受けているか必ず確認するよう案内しています。登録業者かどうかは、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」や、協会の貸金業相談・紛争解決センター(0570-051-051)で確認できます。
売る・リースバック・担保ローンは、何が違うのか
| 方法 | 実家の所有権 | お金と、その後 |
|---|---|---|
| 売る | 買主に移る | 売却代金が入る。返済は発生しない。実家は引き渡す |
| リースバック | 売却で買主に移る | 売却代金が入り、家賃を払って住み続ける契約 |
| 不動産担保ローン | 自分(親)のまま。抵当権などの登記がつく | 借入金が入り、返済が続く。返せないと担保不動産競売になりうる |
リースバックの仕組みとリスクは不動産リースバックの仕組みとリスクにあります。
- 手放してよい実家なら:返済が続かない点が、担保ローンと違います。実家の売り方は、空き家の処分方法|売る・寄付・解体・国庫帰属を費用で比べるにあります。
- 残したい実家なら:担保ローンは所有権を残せますが、返済が滞ると担保を失います。
返せなくなったら、担保はどうなるのか
- 担保の実行:民事執行法180条は、不動産担保権の実行を、担保不動産競売または担保不動産収益執行のうち、債権者が選んだ方法で行うとしています。181条1項は、担保権の登記がされた不動産について申立てがあったときに開始するとしています。
- 遅延損害金:MRFの貸付条件には、遅延損害金(年率)20.00%が表示されています。
- 完済したとき:完済すると、抵当権の登記を消す手続きがあります。法務局は、完済した人が自分で抹消の登記を申請するときの案内を出しています。MRFの貸付条件は、登記の設定費用と抹消費用はお客様負担としています。
- 返済が難しくなったとき:滞納が重なる前に、貸し手や日本貸金業協会の相談窓口(0570-051-051)に相談します。競売や任意売却の流れは、住宅ローンが払えなくなったらとオーバーローンの家は売れる?にあります。
- 自己破産と持ち家:自己破産・個人再生をすると持ち家はどうなる?にあります。
よくある質問
実家を担保にお金を借りることはできますか?
民法369条1項は、債務者または第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、抵当権者が他の債権者に先立って弁済を受ける権利を持つと定めています。不動産を担保にする仕組み自体は民法にありますが、実際に借りられるかどうか、いくら借りられるかは、貸し手の審査で決まります。今回確かめた資料に、担保の評価額の計算方法や、評価額に対する借入額の割合は載っていませんでした。
担保にしたら、実家に住み続けられますか?
民法369条1項の抵当権は、占有を移転しないで担保に供した不動産を対象にしています。担保にしたこと自体で、住む人が出ていく仕組みではありません。ただし、返済が滞ると、貸し手は民事執行法180条の担保不動産競売などで担保を実行でき、実家を失うことになります。
親名義の実家を、子が借りるお金の担保にできますか?
民法369条1項は「債務者又は第三者」が担保に供した不動産としていて、借りる人以外が所有する不動産も担保にできる書き方です。エムアールエフ(MRF)の公式サイトのよくある質問も、本人所有でなくても、不動産を所有している人の担保提供があれば可能と案内しています。ただし、担保を出す親は、子が返せなくなったときに実家を失う立場になります。貸し手によって条件は違うため、親も含めて契約内容を確かめます。
相続したばかりで、名義が亡くなった親のままの空き家は担保にできますか?
エムアールエフの公式サイトのよくある質問は、名義変更をしていない相続予定の不動産は、融資のときに対象の不動産の名義を変更する必要があると案内し、亡くなった家族名義の不動産は、相続人を特定してその不動産を相続すれば可能としています。不動産登記法76条の2は、相続で所有権を取得した人は、取得したことを知った日から3年以内に所有権の移転の登記を申請しなければならないとしています。
実家に住宅ローンの抵当権が残っていても、担保にできますか?
エムアールエフの公式サイトのよくある質問は、担保予定の不動産に銀行の設定が入っていても、第2番順位以下で融資できると案内しています。順位は貸し手や物件で扱いが違うため、先の借入の残りを確かめたうえで相談します。
貸金業者からは年収の3分の1までしか借りられませんか?
金融庁のQ&Aでは、総量規制は、貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合に新たな借入れができなくなる規制です。法人向けの貸付けは対象外で、個人事業者は、事業・収支・資金計画を出して返済能力が認められれば、上限に特段の制約なく借りられる場合があるとされています。最終的に貸すかどうかは貸金業者の判断です。銀行の貸付けは貸金業法の対象外です。不動産担保の貸付けがこの規制でどう扱われるかは、今回確かめた金融庁のQ&Aに載っていなかったため、借りる先に確かめます。
返せなくなったら、担保の実家はどうなりますか?
民事執行法180条は、不動産担保権の実行を、担保不動産競売または担保不動産収益執行のうち債権者が選んだ方法で行うとしています。181条1項は、担保権の登記がされた不動産について申立てがあったときに開始するとしています。返済が難しくなったときは、滞納が重なる前に、貸し手や日本貸金業協会などの相談窓口に相談します。
借りる先が登録のある貸金業者かは、どう確かめますか?
日本貸金業協会は、貸金業の登録を受けずに業として貸し付けを行う者は「ヤミ金融」で、お金を借りるときは相手が財務局長または都道府県知事の登録を受けているか必ず確認するよう案内しています。登録業者かどうかは、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」や、協会の貸金業相談・紛争解決センター(0570-051-051)で確認できます。
参考・出典
- e-Gov法令検索 民法(第177・351・369・372・398条の2)・不動産登記法(第76条の2)・民事執行法(第180・181条)
- 金融庁「貸金業法Q&A」(総量規制)(2026年10月4日確認)
- 日本貸金業協会「悪質な金融業者にご注意!」(2026年10月4日確認)
- 法務省「相続登記の義務化」・法務局「住宅ローン等を完済した方へ(抵当権の登記の抹消手続のご案内)」
- エムアールエフ(MRF)「よくあるご質問」・「商品のご案内」(貸金業者の案内。2026年10月4日に内容を確認)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の借入や担保設定に対する法的・金融上の助言ではありません。借入には審査があり、借りられることや借入額を保証するものではありません。担保の不動産は、返済が滞ると競売などで失う可能性があります。契約の前に、貸し手の説明、契約書、費用の総額をよく確かめ、司法書士・弁護士・ファイナンシャルプランナーなどの専門家にもご相談ください。